九州、山口エリアの展覧会情報&
アートカルチャーWEBマガジン

ARTNE ›  FEATURE ›  コラム ›  アリスの世界 その魅力と不思議<下>【コラム】

アリスの世界 その魅力と不思議<下>【コラム】

2020/01/09 LINE はてなブックマーク facebook Twitter

出版から150年以上、世界中で読み継がれている「不思議の国のアリス」。後世の表現者をも魅了してやまない独特の世界観とその魅力を紹介する「不思議の国のアリス展」が福岡市美術館で開催中だ。その見どころを、3回に分けて紹介する。 


   「不思議の国のアリス」は、ひと言で言えば「アリスが見た夢のお話」だ。チョッキを着たウサギ、涙で出来た池、終わらないお茶会、トランプの行進…。奇想天外な出来事と個性豊かな登場人物は、芸術家たちの創作意欲を刺激し続けてきた。アリス展では、そんな「夢」に触発された作品も紹介している。

エリック・カール「チェシャネコいもむし」
"Cheshire CAT-erpillar" created by Eric Carle,2018.Image reproduced with permission from the Eric Carle Studio. 


  米国の絵本作家エリック・カールは代表作「はらぺこあおむし」をアレンジした「チェシャネコいもむし」を描いた。チェシャネコは、木の上からアリスを見下ろしてにやにや笑うネコで「アリス」の中でも圧倒的な人気キャラクターだ。糸や布を使ったアート作品で知られる清川あさみは、「無邪気でナンセンスなアリスの世界」に共感し、アリスの涙をカラフルに表現した。レディー・ガガの靴も手掛けたファッションデザイナー舘鼻則孝は、「もしアリスからオーダーをもらったら」とのテーマで青い靴を制作した。会場ではライトに照らされて輝き、ひときわ目を引く。

清川あさみ「涙の池」©AsamiKiyokawa


  福岡市を拠点に活動するアート集団「anno lab(あのラボ)」は、「ミミクリーの小部屋」という作品を寄せた。ミミクリーは「物まね」の意。壁に飾られた14枚の絵の前で体を動かすと、絵が一斉に同じ動きをする。
  額縁にはめ込まれたタブレットの画像が人の動きを感知して動くのだが、特殊なフィルムで画用紙のような質感を出しており紙に描かれた絵のように見える。自分とシンクロする絵の動きは何度試しても飽きない。(藤村玲子)=12月26日西日本新聞朝刊に掲載=

連載<上>はこちら
連載<中>はこちら

おすすめイベント

RECOMMENDED EVENT
Thumb mini 8b59248312
終了間近

開館20周年記念
コレクションの在りか―現在地をみつめて

2025/04/12(土) 〜 2025/06/29(日)
長崎県美術館

Thumb mini 98e60e097d

Hello Kitty 展
-わたしが変わるとキティも変わる-

2025/06/24(火) 〜 2025/08/31(日)
福岡市美術館

Thumb mini 238af09937

葬送のフリーレン展 ~冒険の終わりから始まる物語~

2025/06/22(日) 〜 2025/07/21(月)
福岡三越9階「三越ギャラリー」

Thumb mini 17de735499
終了間近

ポップ・アート 時代を変えた4人 POP ART THE FAB 4 ! & 4 SPECIAL GUESTS

2025/05/17(土) 〜 2025/06/29(日)
北九州市立美術館 本館

Thumb mini ea72fcd7a4

異端の奇才 ビアズリー展

2025/05/24(土) 〜 2025/08/31(日)
久留米市美術館

他の展覧会・イベントを見る

おすすめ記事

RECOMMENDED ARTICLE
Thumb mini 0ce978699c
コラム

福岡市美術館「不思議の国のアリス展」アリスの世界 胸躍る【コラム】

Thumb mini 1e6813fa75
レポート

キュートなグッズが大集結! 特別展「不思議の国のアリス展」のグッズコーナーに潜入!【レポート】

Thumb mini 988e021a4d
インタビュー

特別展「不思議の国のアリス展」とコラボ! QuizKnock伊沢拓司さん、志賀玲太さん【インタビュー】

Thumb mini 333f62134c
レポート

世界中で愛されるアリスの魅力が凝縮! 福岡市美術館で特別展「不思議の国のアリス展」が開幕【レポート】

Thumb mini 278341b836
コラム

ポップ・アート界 綺羅星の競演―時代、カルチャーを表象するイメージの数々がずらり。リキテンスタイン、ウォーホル、ラウシェンバーグ、ジョーンズetc. (@北九州市立美術館)

特集記事をもっと見る